母への手紙
朝焼彩茜色
お母さん。喉乾いてませんか?お金は大丈夫ですか?
私は元気です。
初めて貴女への感謝が溢れた時、24歳の時でした。
命がけの出産、私の優柔不断の魂が、貴女を難産にさせてしまった。
あの時、生き延びてくれて、ありがとう。
あの時、貴女が踏ん張らなければ、きょうだい喧嘩も空振り
一人で、ピッチャーとキャッチャーでホームランなんて、出来ただろうか?
あの時、生き延びてくれて、ありがとう。
あの時、貴女は私の人生を、正の方向に大きく傾けたよ。
お蔭様で、貴女の故郷へも導かれ、なんくるなる余裕を、空を、海を、仰いだよ。
不屈の精神が代名詞の貴女。喉乾いてませんか?お金は大丈夫ですか?
私は幸せです。
全て、貴女から始まった、幸せの物語です。
主演も演出も自由に描く、空色、海色、のインクで写真を刻んでいます。
ああ。貴女には頭が上がりません。
あの時、看取れなくて、ごめんなさい。飛行機は夜中に飛んでくれませんでした。
それだけは、ごめんなさい。
母の日には、お母さん、貴女を思い出します。
私の、お母さん。喉乾いてませんか?お金は大丈夫ですか?
何かあったら、夢で報せて下さい。
私は元気です。
長女より