檸檬
たもつ
ぼくの細胞が裸になった
ストリップもないだろう、と
あわてて上着を被せた
細胞は檸檬のように
ゴルジ体を吐き出し
ミトコンドリアを叩き付け
軒下に吊るされた
今日は誰と
話をしたわけでもないけれど
つまりそれは
ぼくのぼやけた
死体にちがいなかった
自由詩
檸檬
Copyright
たもつ
2012-05-13 19:13:47
縦