水面の月
永乃ゆち

水面の月が欲しいと泣いた

夜店のだみ声が怖かった

火をつけた理由はそれだけだった

鉄格子に囲まれた部屋は居心地が良かった

僕は外の何者にもなりたくはなかったのだから


自由詩 水面の月 Copyright 永乃ゆち 2012-05-13 06:32:44
notebook Home