夢のあと
南 さやか

ただいま… と言って静かに散って行った
今年の君
まるでいつも通り
決まった道をゆっくりと往復する少女のように

見上げる僕の左頬に はらり
降り注ぐひとひらの遺言のように
それはか弱く重く 美しい

おかえり
そして 再びいってらっしゃい…

かなしい春の 営みとともに
深まりはじめる 夢のなかの空



自由詩 夢のあと Copyright 南 さやか 2012-05-12 04:46:13
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