最初の森
ちゃむ

みんなといってみたかった場所がある

それは地平線が見えそうな草原に
暖かな風が吹く海辺に
木漏れ日が揺れる森に

みんなはもう土の中だね
墓石も何も無く
静かに僕の庭にいるんだね

僕はこの場所を守ることにした

ここで死にたいから
そしたらまた、会えそうな気がしてさ

だから、その日が来るまで守ろうと思う
その日が過ぎても守り続けるんだ

そのためにさ
種を苗を埋めようと思う

草原にするのは難しそうで
海辺にするのも無理みたいだから

森ぐらいなら出来そうな気がしてさ
そこでみんなと遊びたいから
どうかな?
僕に出来るかな?
ひとりじゃ無理かな?

だから協力してほしい
肥糧となって草木を
花を育てる光となってくれないかな

僕がそこに立つと影が出来ちゃうから
水をあげるのも夜にするよ
少しでも早く育つようにね

でも、たまにはそこに
太陽が昇っているときに
立ってもいいかな?
座ってもいいかな?

みんなを感じていたいことがあるから



みんなといってみたかった場所がある

そこではさ
みんなの首輪をはずしても
誰にも迷惑がかからなくて
思う存分かけっこが出来て
   ・・・誰が一番かな?

かくれんぼしたりして
   ・・・すぐに見つかっちゃうけど

お昼寝したりして
   ・・・みんなの寝顔を眺めるんだ


僕の庭が
みんなが埋まっているこの場所が
森になるその日まで守ろうと思う

そして森になって僕も埋まったら
みんなが楽しめるような
広い広い公園のようになったらいいな。

僕たちは

最初の森


自由詩 最初の森 Copyright ちゃむ 2012-05-12 00:13:41
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