白紙に降りる
ただのみきや

  
     まるく

    表面張力で
   膨らんだ一滴の
   想いがいま落ち
    触れる間際

     はじけ
 
    残像のように

   ゆ っ くり と
 
  四  散  し  て
 
 消   滅   す   る

ニ    イ   ノ    リ 
  ジ    ロ    キ


   降り注げばそれは
    水墨画のよう
    死の痕跡から
   浮び上がる幽霊に

  くっきりと陰を描き込み
         固定する


 それは
目から侵入し
宿主の記憶と感性を食みなが
          呼吸する
  
   やがて
   新しい意味を孕み

 一つの惑星を産み落とした
       

  
     まるく








自由詩 白紙に降りる Copyright ただのみきや 2012-05-09 21:02:03
notebook Home 戻る