潮騒の森
月乃助

森に霧が降りる

 さびしいほどに深く
 どこまでも    
  
       それに、誘われるまま
        彷徨い
       導かれるまま
        分け入る

わたしと同じ齢ほどの杉たちの 深遠の淵から
懐かしい 音が、重く 響く
 フォグ・ホーン
  杉の針の先には、、、  潮の香り

知らぬま 獣道は、砂にかわった
見る間に広がり
杉たちは、 一面 砂のなかに林立する



(( Mom, when are you coming back?
(( We miss you so much.


木の間の
砂の上で わたしの子供たちが小さなお城を作っている
あれは、わたしのいた風景


(( Sorry. I don't know yet.
(( I really don't know when.


木々は消えさり
一本のアルビュータスの木が赤い肌をまとい
子供たちを見下ろしている
  そちらは
  もう、白い房の花がさく季節なのでね。
あの町のMayは、穏やかな月



砂の森のはて 今ではもう白波が踊る海峡がひろがり
 波の音、
   潮風、
    寄港する貨物船の船影までもが、
 眩い光のなか



(( Are you going to make a plum jam?
(( They are starting to bloom in the garden.


(( I am afraid ごめんなさい、わからないの
(( I don't know yet.


砂にしゃがみこみ 子供たちの遊ぶ姿をぼんやりと見つめる
少し見ない間に こんなにも子供たちは大きくなる



           *


突然 圧力バルブを 開放する音が静寂をやぶる

あれも、昔聞いた息継ぎの音
森の深奥の光の海から
  黒光りする背の 鯨がむかってくる



潤んだ目を見せ
すぐにわたしのもとまでやってきては、
わたしを/わたしの想いを、一呑みにした



 そいつは、
  森を抜け 
   大洋をわたり
 海峡のあの町まで泳いでいく


子供たちに わたしの想いが届きますように



(( Mom, are you happy over there?
(( Aren't you lonley?






(( I don' 、、、、、、、、、、、、、t k、、、、

(( 、、、、、、、、、、、、
(( 、、、


、、















自由詩 潮騒の森 Copyright 月乃助 2012-05-08 11:23:29
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