【 痛み 】
泡沫恋歌

あなたが道で転んで 泣いていたとしても
その痛みは 誰にも分からない
大丈夫? と声を掛ける人がいたとしても
ホントのところ その痛みは本人にしか分からない

自分のモノサシで 他人の痛みは測れない
強いと思えた外壁の内側は案外脆いものだった
膝小僧から噴き出す血は生身の苦しみ

だけど わたしは転んで泣いている人を見たら
こう言ってあげたい

『 もう痛くないよ 
  だから自分の足で立って歩きなさい 』

慰めではなく 励ましてしてあげたい
もし その言葉で勇気を貰える人がいるのなら
わたしは 何度でも声を掛け続けたい

そして――
今 その言葉は自分自身に向けて呟いている



自由詩 【 痛み 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-05-07 06:02:23
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