【 痛み 】
泡沫恋歌
あなたが道で転んで 泣いていたとしても
その痛みは 誰にも分からない
大丈夫? と声を掛ける人がいたとしても
ホントのところ その痛みは本人にしか分からない
自分のモノサシで 他人の痛みは測れない
強いと思えた外壁の内側は案外脆いものだった
膝小僧から噴き出す血は生身の苦しみ
だけど わたしは転んで泣いている人を見たら
こう言ってあげたい
『 もう痛くないよ
だから自分の足で立って歩きなさい 』
慰めではなく 励ましてしてあげたい
もし その言葉で勇気を貰える人がいるのなら
わたしは 何度でも声を掛け続けたい
そして――
今 その言葉は自分自身に向けて呟いている