羊列車
たもつ

 
 
たくさんの羊たちを乗せて
母が猛スピードで
寝台列車を運転している

眠れない父のところに
早く羊を届けなければならなかった
車線変更を繰り返し
いくつもの列車を追い越して行く

雨が降ると
父は会社に行きたがらなかった
明日も晴れればいいのに
わたしは願うしかなかった
 
 


自由詩 羊列車 Copyright たもつ 2012-05-05 18:34:57
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