ウォーター、追憶する
ayano
無数の車が海になだれ込んでいた
カプチーノの氾濫
暴走した都会
エス、ケープとカレーション
・涅槃・・
ちりちりと水位が増す
いつか髪は乾かないときがきて
それで、頭痛がひどくなってくる
メタルを飲み込む水に足を浸していた
根づくことに日々疼き
生活ってなんだろう
まず、アクセルが踏めなくなって
つぎに手首がふるふるして
ううう、
足を浮かすことなのかな
逃げよう、ぼやけた観覧車など沈めておけばいい
だめだ、足が動かない
にが、
ゴポ
――ししししら、しらずに落ちていくこと
釣られて いと あまいみずを汲んで ほ
しい 白くなったら食べごろ みかく の
プライスレス みず かがみ 舐める け
・・水泡・帰す
走るがゆえの代償、駆け下りた階段はその
瞬間に消え、舌の針や喉の鏡が痛む
・・・
じゃんけんで今日の運転手を決める
地図はきみに預けとく
虫の這った植物を着ている
足組み、ふくらはぎの熱
温室を纏う身体(欠陥がひとつ)女はしっかりと意識を保ち、腹
のなかに子宮を(ふたつ)、極めて献身的に(みっつ)(よっつ)
砂時計を返せば吐き出される生命
朝が来るスイッチ
ほっぺの裏側にキス