子らよ
田園
おおげさな音をたててトラックは右へと曲がる
小さなおさげの女の子が道を渡ろうとしているのを見て私は焦る
だめよ
まだ止まっていて
けれど女の子はとてもうまく道を渡って
てくてくと去っていった
いつからだろう
子らが愛しい存在になったのは
独りを愛しはじめてからだと思う
私は産まないかもしれないから
あの小さな自我たちが愛しい
子らは天使にも悪魔にもなるけれど
無垢な魂はやはり笑っていてほしい
私は頭を撫でる事もできないけれど
小さな自我たちよ
ほうぼうで煌めけ
自由詩
子らよ
Copyright
田園
2012-05-04 17:51:25
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