命の終わりを思う時
いぬぐす
こころ ひたひたと水に浸かって
浮かんでこない
ぎりぎりの水深は
息をするだけで精一杯
酸欠の頭で見た人は
悲しさの中に喜びを求めているようで
こころ そっと沈んでいって
光の刺さない場所まで
いっそこのまま
溺れてしまう
流されてしまう
砕けてしまう
こころ ぼろぼろになって
思い浮かべる人は
もう目の前にはいないのに
こころ 底にたどりついて
穴についてる栓を抜いた
水は一気に穴に吸い込まれて
こころも吸い込まれて
宇宙を漂っていた
もう息をする必要は無かった
自由詩
命の終わりを思う時
Copyright
いぬぐす
2012-05-03 11:34:29