狂気
もずず



少しずつ
剥がれてゆく日常

面の奥に隠した感情は
熟れきった果実

触れてしまえば朽ちる

それを知っていても
進む以外の選択肢は無く

今日も偽物の真っ赤な唇で笑う

もうすぐ散りゆく奥の花弁を隠して

滴り落ちる欲望と
絞り出した言葉は
また今日も宙を彷徨う

あてどの無い小指を求めて




自由詩 狂気 Copyright もずず 2012-05-02 00:26:05
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