他力本願G行為
faik



世界に興味がありません。
私の思うようになってくれない世界には興味がありません。

人に興味がありません。
私を可愛がってくれない人には興味がありません。

見返りだとか、お返しだとか。
私にそんな大層なものを期待しないで下さい。
そもそも私は、そういうものじゃないんです。
自分でも情けなくなる思いです。

たかだか石に毛が生えたような心の持ちようでは、
人に愛想を振りまくのにも、
人に興味を持つのにも、
いい加減に疲れてしまいました。

いくらそういうことをやってみても、
なぜか上手くいかないもので。
どうにも思い通りにならないもので。
私の周りの世界はいつでも
容赦なく私を無視する腹積もりらしいので。

そういった可能不可能の話には慣れてます。
慣れているけどやはり苦しいは苦しいのです。
自分の関係していないところで、
何かが変わってしまうのは嫌なものです。

閉ざしているのは私でしょうか。
飛び込めないのがいけないのでしょうか。
すべては私の力不足でしょうか。
私の思い過ごしなのでしょうか。

いいえ。
たとえ思い過ごしだろうと、不甲斐なさゆえの失墜だろうと
そんなことは今更、どうだっていいのです。
思ってしまった段階で
時はすでに手遅れ。

人と同じように食べ、
人と同じように眠り、
人と同じように笑い、
人と同じように話し、
人と同じように好み、

えり好み、

憎み、妬み、嫉み、睨み、辛み。
愛し、恋し、慕い、追い、振り返り。
うつむき、ちら見し、ほくそ笑み、
裏切り、傷付け、媚びへつらい。

それでも結局、私の心は
ちっとも満たされないのですから。

とっとと何かを求めることに、
嫌気が差してしまえばいいと、
そう、思いはするのですが。

因果でしょうか。
性分でしょうか。
本能でしょうか。
よもや陰謀?

人間、容易にそうはなれないものですね。


さあ、どうぞ。
この詩を読んでいって下さい。
あなたに興味はありませんが、
私という人間が何を考えているのか、
興味をお持ちになってくだされば。
多少は私も揺れましょう。

そんな私の開き直りを
蔑もうが同情しようが
すべては誰かの思うつぼ。
シカトしようが傍観しようが
すべては誰かの想定範囲内。

そう。初めから、私の中に
私独自のものなどありはしなかったのです。
個性などありはしなかったのです。
つぎはぎだらけのはりぼての

欲望が皮を着たような
石が毛を生やしたような



誰か、そんな女の存在価値を
教えて下さいな。

紐解いて下さいな。
呼吸をするより易く、
この世界に馴染める術を。


自由詩 他力本願G行為 Copyright faik 2012-05-01 21:07:34
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