Black Tears
草野春心
少年だの少女だの初恋だの
丸みを帯びた言葉ばかり桐箱につめて
晴れた日の草原に座りこむキミ
ビニールシートも敷かず、地べたに
夕方には雨が降るって聞いてなかったかい?
シロツメクサの茂る丘にキミは登って
長い髪が綺麗になびくその位置を探して
カメラのシャッターが切られるのを待ってるんだろう
でもいつになっても誰も現れやしないんだ
夕方になって雨が降ってきても
傾いた日が鳥の影をこぼしてゆく
まるで何処か遠いところから届いた
黒い涙みたいに、パラパラと
なんとなくキミはその数を覚えてみるけれど
本当はもっと沢山の鳥が横切ったんだよ