飛ぶ日まで
itukamitaniji

飛ぶ日まで

それはいつかの晴れた日 君は空を眺めてて
飛びたくなくなったって 寂しそうに愚痴る
どうしようなんて そんなこと僕になんて言うなよ
僕に大層なこと 言えるはずもないだろ

けど誰だってそう 何にもしたくなくなって
ただ風に吹かれたり 閉じこもってばかりの日々もあるだろ


だましだましやってきて 魂果てて萎れた羽
しばらく飛ぶことを忘れて 生きてみることにした
普通に買い物に行って 普通に映画を見に行って
ただ歌を歌ってみたり 何もしなかったり

街の喧騒に溶け込んで どうにだって生きてゆけるって
こだわることなんて 何一つ必要なかったんだ


飛びたいと願った日々のこと まだ楽しそうに話せる?
いつか君にそう問ったら 話してくれたっけ
まるで子供みたいに 目を輝かせながら
その時の空が どんなに美しかったのかを

そして思い立って ほら!って頭上を指差すけど



そこに在るのは今日の空だった



君が思う物語通りに 世界は進んでくれない
あの頃と空の色も違うし 心も体も変わってる
分かってるって それでも君は全て受け入れて
進むつもりでしょ? ずっと守り続けてゆくって

いつかまた飛ぶ日まで


自由詩 飛ぶ日まで Copyright itukamitaniji 2012-04-29 00:20:40
notebook Home 戻る