死にゆく欠片
りぃ
その屍を持っていても
二人にはなれない
慟哭の空
突き落とされた最後の日
足元の白い砂がささやかな風に飛ばされていく。
『あぁ、珊瑚の死骸だね』
ここが砂浜ならそうだろう。
『あぁ、だけど海が遠い』
ここが海辺なら良かった。
寄せては帰すあの波がすべてを無かったことにしてくれるから、
だけど、
『ここが海辺の砂浜でないというのなら、教えて欲しい』
白い砂を救い上げ君が問う。
『これは、何の、死骸?』
自由詩
死にゆく欠片
Copyright
りぃ
2012-04-26 22:42:06