師匠のお言葉
たにい

樹が一本立っている

背は私よりはるかに高いが
胴は私の太腿ぐらいしかない
幹の高いところから十数本の枝を生やしている
それぞれの枝の先には緑の葉をつけて
灰色の空に顔を向けて雨を飲んでいる
思わず聞いてみる
ひとりぼっちで淋しくないかい

それが答えるには
真直ぐに生きてゆく
太陽に向かって
ただそれだけさ


自由詩 師匠のお言葉 Copyright たにい 2012-04-26 16:41:52
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