【 向い風 】
泡沫恋歌
向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか
向い風が容赦なく
わたしを地面に叩きつける
嘲笑が聴こえてきた
込上げる怒りに
足元の砂を蹴り上げた
向い風に負けまいと
キリッと立ち向かう
向い風苦しくても
わたしは逃げない
それは正しさを
証明するためではない
すべてを見届けるまで
向い風に耐えて耐えて
ここにわたしは居る
自由詩
【 向い風 】
Copyright
泡沫恋歌
2012-04-24 07:27:52