指で作ったファインダー
藤鈴呼


さらら 頬を 伝う涙が
あなたにも 見えるでしょう

あの 優しい砂を
思い出して 御覧なさい

御覧なさいと 言われても
粒が 細かすぎて 見えないの

そう 言って また 一粒の
涙を 流すけれど

本当は 粒子の問題では
無かった 筈だね

さらさら さらら
うるると さらら みたいに

空気清浄機じゃあ ないけれど
哀しい 心模様

一層出来る 機会には
恵まれませんか

出来れば 機械なんかが
オツですけれども

やはり 温もりを
求めるのですね

人ですから
人で 有り続けたい ですから

会話を しながら
心 通わせる 方法を

今でも 探して いるのです
砂鉄みたいに くっつきながら

誰ですか

S極と N極の 狭間で
微笑って いるのは

見えないんです
指で 作った ファインダーが
大きすぎるから

砂が 細かすぎるかな

あなた 一粒
なかなか 探し 出せなくて

あなた 一人に
なかなか 見つけ られなくて

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自由詩 指で作ったファインダー Copyright 藤鈴呼 2012-04-21 11:12:15
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