わくわくしちゃう 
ヨルノテガム







 メロン食べたいナ
 ちくわの穴から何が見える?
 おしるこの底から地獄が沸き上る
 アノ人やアノ人も切腹して業火に焼かれないかナぁ?
 ああ それからメロンが食べたい
 貰ったメロンはさぞ おいしかろうナ


 *


 旅行カバンが寝てる ずっと寝てる 
 もうあなたの街へも あなたの街へも
 行きたくなくなったんだ
 どうかしちまったんじゃないか?
 どうかしちまったんじゃないかと思う
 こういうときこそ、ほんとうに旅行でもしたほうが
 気が晴れるってもんだゼ
 旅行かぁ そりゃ いいナぁ
 そりゃ ずっと忘れられるゼ


 *


 嘘ついた
 昨日 嘘ついた
 その前の前の前も 嘘を
 寝て起きて欠伸して、またそして嘘を。
 苦しんでいるひとは今も
 これが全て嘘だったら、嘘なんじゃないかって
 生きて暮らしていると思う
 大人は嘘が下手すぎる
 心は折れまくっている
 全て見透かして、また折れている
 訃報さえ
 何かの誕生、誕生の予感を感じさせる親しみを抱く


 *


 こおろぎや鈴虫の
 あの静かな佇まい、夜の音色を想う春

 桜の花々よりも日を照らす新緑の燃え上がる
 若く荒々しいのが好きよ夏

 クーラーや扇風機への恋が一気に冷める秋風
 星座のお話を大きなお月様から奏でられ
 雪で出来たロケットで会いに行くわと約束し

 無重力の冬を
 眠りながらの月旅行に当てるの

 うん、そりゃいいかも 。
 うん、おやつ ちょ――だい


















自由詩  わくわくしちゃう  Copyright ヨルノテガム 2012-04-21 02:11:22
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