時が過ぎるので身が縮む
黒髪

悔しさと苦しさを抱えて何年もやってきた。
それは、人と分かち合えるような種類の問題でなかったから、一人で考えるしかなかった。
世界の美しさが僕にはよく処理できなかったから、言葉で理解した範囲を再現してみることで、納得しようとした。
しかし、頭は空回りするし、使える言葉は限られていたし、ろくな結果にはならなかった。
今思うと、思いだけがあって、世界がなかった。
それは何も誇大な表現ではなく、僕は何もないことと最も近しいところにいたのだ。
口を開けた深淵、その中で何年も暮らしたということだ。
寒さと暗さは絶望を簡単に呼び寄せた。
絶望の深さは図りがたく、ただ、ぼんやりとした気分で日々を過ごしていた。
それでも、自分を頼むことしきりで、きっと自分は違うという希望を胸の中に抱いていた。
結論をつければ、ただ夜の闇の中に何十年といたということだ。
何も認知できず、凍りついた時の中で周りは猛スピードで回り、過ぎていった。
メリーゴーランドみたいに。

この散文を書いてみて、自分の醜さにこころが縮む思いがする。
ただ、上達していること、改善していることは確かなのだ。
何十年も苦しんできて、今更ジタバタしても始まらない。
大きな心をもっていたいものだ。


散文(批評随筆小説等) 時が過ぎるので身が縮む Copyright 黒髪 2012-04-20 18:31:40
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