サラブレッド(競馬篇Part.1)
HAL
サラブレッドはサラブレッドとして
生まれてきた訣ではない
イギリス人がアラブ馬と狩猟用のハンター馬などを
競馬で勝利することだけを目的として創られた
最高の芸術品として呼ばれることも知っている
でも交配と淘汰を繰り返しながら
品種改良されたことはある意味で人間の勝手さだけで
生まれた競走するためだけの馬だ
ぼくはサラブレッドは血で走ると想っているけれど
その父の血統を辿っていくと三大始祖である
ゴドルフィンアラビアン
バイアリーターク
ダーレーアラビアン
とのたった三頭に行き着く
だからぼくはサラブレッドを
悲しいと呼んでもいい生き物だとも想い競馬を観る
どの馬も心肺が停止する死んでもおかしくない限界まで走る
また心肺停止でゴール板を一着で駆け抜けた馬も知っている
しかしそれ故に緑のターフを生命を賭して走る姿を
美しく想い競馬を愛しているのかも知れない
もう淀にも仁川にもましてや府中へも
いけない身体になってしまったけれど
どの馬も安楽死される骨折だけはしないようにと祈りながら
最下位の馬が無事にゴールを切るまでぼくは競馬を観ている