真夜中3時の夜風をスプーンで掬う
マーブル

真夜中3時の夜風をスプーンで掬う 鳥の意識のように白い 
力つきた鼠になって 虹色の夜をまだ信じているんだろう
かすかに触れる月の落ちる音が 
僕をいっそう奮い立たせては 
深い微睡みの湖に映った白樺の木になる

羽化したモンシロチョウ あたまのなかを浮遊している
項垂れたダリアになって 虹色の夜をまだ信じているんだろう
いつか見上げすぎて痛くなった首みたいに
なつぞらの雲の隙間からこぼれる
淡いひかりの階段を思い出している

キャンディーは珈琲味だった あの黄昏に似合う気がしてた
夕立が過ぎ去った頃 僕たちは待ち焦がれながら泣いていた
どうしようもなく居たたまれなくなって
ブレーキ外した自転車に乗って
蝉しぐれの坂道をスピードにまかせたりしてたよ

青が迫ってくる 季節は 粉々の星になった
煌めいては 永遠に 終わらないねって
夢はカウチ いつでも そばに寝転がっている






自由詩 真夜中3時の夜風をスプーンで掬う Copyright マーブル 2012-04-16 04:36:56
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