FATE
文字綴り屋 ひじり

君はもうすぐドアをノックする
そしてドアを開けた僕を見て
にっこりと笑うはずさ

僕はすばやくドアを閉める
そして腰に左手を回して
にっこりと笑うだろう

「元気だった?」なんていう言葉よりも
確かめるようなキスが先だろうか
それともじっと瞳を見つめて
壊れものみたいに頬に触れてしまうかも

ああ わかっているさ
君は僕に護られるだけの人形じゃない
いつでも一緒に泣いたり笑ったりする存在だと
だけど僕は君のその瞳に美しいものだけを映していたいんだ
君のその手には綺麗なものだけを触れさせたいんだ

でもきっと君は醜いものを見たとしても
決して目を逸らしたりしない
君はどんなに歪んだものに触れたとしても
きっと手を差し出すだろう

だからこそ僕は君を護りたい
僕の傷だらけの手を優しく包み込み
僕の激しく鼓動する体に触れてくれるなら

たった一人の男になる

それが僕の運命だと囁いてくれ


自由詩 FATE Copyright 文字綴り屋 ひじり 2012-04-15 21:13:01
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