夢の門出に
梅昆布茶
僕達は旅立たなければならない
その始点と終点はひとつの意味のまとまりを持つ
優美な構造体であって欲しい
君や彼女や彼等が互いに意味付けあう関係性の生きものである僕らは
社会性というオペレーティング・システム上で展開されるRPGの申し子
伝説のソードを持て余す冴えない勇者だ
僕達は物事を構成する要素を弁別しその配列と体系を読み取り
それらの断片をまた相互のニュアンスの色分けにしたがって
並べ直す作業を繰り返して認識の裾野に風景を組み立ててゆく即興詩人
薔薇をかざらないで
その窓辺に姿を見せないで欲しいのです
小さな誘惑で僕の五感を震わせないで
記憶を呼び覚ますうたをうたわないで
朝を傷つけないで小鳥を撃たないで
世界がもたらす意味をそのまま感じさせて欲しいのです
そんな朝にしたいのです
遠くきこえるあなたのおはようが
まだ夢のなかの僕に柔らかに染み込んでゆくように