不思議
草野春心
不思議
きみがふれた
いびつな石ころが今朝、
柔らかいパンへと変わった
春の陽を白く吸って
不思議
きみがくれた幾つかの
言葉は辞書にも載っていない
埃を被った机をあふれて
ハラリと眠たい音をたてた
僕は
いつも見誤って
駄目にしてしまうけれど
きみがくれた朝は
光かがやき
くすくす笑い
小さな僕の手にも
温かい太陽を握らせる
不思議
自由詩
不思議
Copyright
草野春心
2012-04-14 20:05:20