うすら
あぐり

わたしごとに
あなたたちがひらいていく
新しい手帳の
赤いインデックス
なにも書き込まないまま
満たされていく薄い毎日
いちにちは
こんなにも短くて
気が付けば
四本の足が萎えている

いま
何分咲きですか

わたしごとに
あなたたちはふくらんでいく
どうしても
熟しきらないことが一等
あざやかな記憶になって
薄い白さをわずかにひるがえして
気が付けばそれが
わたしの瞳孔にかぶさって
あなたたちがまた薄く
ほころびはじめる
ちいさくふるえて
ゆっくりわらいあう
風にあいだを撫でられながら
またあなたたちがほころんでいく




自由詩 うすら Copyright あぐり 2012-04-14 08:39:34
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