うすら
あぐり
わたしごとに
あなたたちがひらいていく
新しい手帳の
赤いインデックス
なにも書き込まないまま
満たされていく薄い毎日
いちにちは
こんなにも短くて
気が付けば
四本の足が萎えている
いま
何分咲きですか
わたしごとに
あなたたちはふくらんでいく
どうしても
熟しきらないことが一等
あざやかな記憶になって
薄い白さをわずかにひるがえして
気が付けばそれが
わたしの瞳孔にかぶさって
あなたたちがまた薄く
ほころびはじめる
ちいさくふるえて
ゆっくりわらいあう
風にあいだを撫でられながら
またあなたたちがほころんでいく