夜間飛行
そらの珊瑚

いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの
ひとつひとつに
ぶらさがり
ひしめきあっている

夜の桜を
ながめるとき
そんな
たましいたちに
私もまた
じっとながめられている

寄る辺なきものたちが

ここに
つどいあう


自由詩 夜間飛行 Copyright そらの珊瑚 2012-04-13 08:57:05
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