あさつり
そらの珊瑚

まどろみのなか
わたしは
今朝も
ひとり
つり糸を垂らす

湖面は心を映す鏡
澄んでいれば
すいぃーーと泳ぐ
ひらがなの鱗さえ
見えることもある
濁っていれば
口笛など鳴らし
どうにか
おびきよせようと
四苦八苦する

つり糸の先に
かすかな手応えあれば
逃すまいと
指先に神経を集中させる

今日の詩の出来栄えは
ひとえに
釣果にかかっているのである


自由詩 あさつり Copyright そらの珊瑚 2012-04-12 08:31:53
notebook Home 戻る