あきらめて止まらず
加藤

決心する日は 誰かや何かのためではない
不安な毎日は 続かない方がいい

毎日を退屈に過ごせるようにと祈っていた
道の終わりはどうせどうせ知れない

ここにいることに 証拠もないけれど
血や呼吸や時間は せめてもの実体
体に走る鼓動を かみしめる意識があるだけ幸せだろう

隠れた思いは 言葉に顔に 表れては消え
コートはタンスにしまって
春色の絵の具をぬりたくる部屋に また花が咲く
季節の中 あやふやに きれいなまま ヒラヒラとさまよう

澄んだ気持ちがもしもまだ忘れずに
恥ずかしさもなく残っているのなら
悲しさも声も出ず一緒に思えるのなら
私が好きなのはきっと生きることそのもの
このままの形にとどめて 思い続けて さまよおう


自由詩 あきらめて止まらず Copyright 加藤 2012-04-11 22:29:12
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