昏睡
たもつ

 
 
壊れた工作物に
黄砂が降り積もる
梢は公道に木漏れ日を落とし
昏睡する
呼吸と肯定されることのない
告白の中で
コップから言葉が溢れ
子どもは硬貨を握りしめたまま
交差点を渡る
コンビナートに沿って歩き
焦げた匂いのする
国境へと向かう
 
 


自由詩 昏睡 Copyright たもつ 2012-04-10 19:10:06
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