最後の画家
朝焼彩茜色

草草をすりつぶし 黄金のキャンパスに 乗せてゆく 
エメラルド色の空を

瞳の色を心にしまい
エメラルド色に 空を乗せてゆく

緑のあふれる世界にしようと

 最後の画家
 
 英雄も名誉も 草草と一緒にすりつぶし
 エメラルド色の空を 創ってゆく

緑のあふれる世界にしようと

 空想の中に佇む願いは 魔法も効かず
 
 想像は最後の画家に 願いを託し 役目を終え
 別の平和途上の世界へゆく


  どれ程の草草をすりつぶしたのだろう
  
  申し訳なく 土に水をやる 雨乞いの歌を口づさむ 最後の画家

 謝罪を心して受け取る エメラルド色の草草は

 黄金のキャンパスで生きている


 空想の中に佇む願いは あいも変わらず効かない 魔法

垂れるエメラルドの雫は 黄金のキャンパスを伝う 汗と涙のよう

 エメラルドのその 意志の輝きは 乾き潤すを繰り返し

最後の画家の腕は 虫の息で  それでも
魔法を受け取るのに 拒む 精神力に

 エメラルド色の空は 応えてゆく

緑のあふれる世界にしようと


   やがて 
   最後の画家の描いた作品は 宇宙船美術館に展示され
   地球に着陸しようとしている


自由詩 最後の画家 Copyright 朝焼彩茜色 2012-04-10 13:43:05
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