灰色の堰
アラガイs


干からびた石像の腕組み
褐色に統一された甲虫が貼りつく髭海苔
汽水へと至る流れ
浮き草は毟るだけ毟り取ればいい
空気もそれぞれが渇いていた
医者は煙草を止めろって言うけどね
止められないモノはいつだって、止められなかったんだ
そうして付加価値は手遅れになるまえに塗り替える
すべてを隠す周囲は均一に保たれて、視てみぬ素振りが幅をきかしだす
日常が煙の匂いを蓋で敷きつめること
生ぬるい風だよ
かかしのように行き場を失い
口の汚泥は底水を塞き止めた
はみ出た残飯が一匹を肥らせば
また一匹が烏の手足となる為に
凶器の矛先を取り上げた神官も
区別のない餌を与える振りをする、
、百足の棲家だよ、そこは
いつだって海のきれはしだったんだ
波は自転の速度を変えて
街も気配は消え失せた跡に
一日で死ぬやつもいれば
千年と生まれ変わるやつ
ゆるやかにはしりだすもの
(臭いだろう ?
死骸は消えて、なお
遺堰に残るだろう 。









自由詩 灰色の堰 Copyright アラガイs 2012-04-10 03:42:30
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