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ねことら
窓の外に、まだ芯の冷たそうなピンクの桜がみえた。にちようの朝。無痛麻酔のピストルにうちぬかれて、やさしい気分になってしまう。
単純な手続きのセックスばかり、繰り返してさ。80点オーバーしたらオーケー、よく合格できました。みたいな。でも褒美はないんだよね。隣できみはすやすやねむってて。下着はベッドから落ちてゴミみたいにみえた。
しん、としずまった部屋の死骸の一部のようになってるカバンからデジカメを取り出し、意図なくきみや窓の外の桜やなんやかやを撮ってみた。クリスタルガイザーの飲みかけ。電池の切れた目覚まし。軽薄な春の青空。
わーって叫んだって、どうしたって世界はとじていて、全速力で駆けても外周を回っただけだった!しかもずっと以前から気づいてて。ある意味それは致命的。
四月、ところどころバックスピン。すきな調味料はキューピーのマヨネーズ。ぼくたちは名札に名前を書き忘れたふたり。相容れることはないし、じぶんが気持ちよければ問題ない。確認は終わってる。継続が問題だ。
ワンデイのコンタクトレンズのケース。足の短い男。松屋の剥げた看板。揺れるパンタグラフ。ペテンにかけてくれてかまわない。だからいちばんきもちいい方法でやらせて。いますぐ。