捺印
とろり

空き缶をやさしい顔で見つめてもあきらめているはつなつの道
ほつほつとからだに点るけだものを飼いならしつつ噛む左肩
さびしさの錆びつく夜も舌で捺されたそこはあなたのものよ
ふうせんが萎んだ後の寝室にわたしはたぶん愛されている
春という文字に境界あることをわすれていたい部屋で待ちます




短歌 捺印 Copyright とろり 2012-04-08 04:30:12
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