尽きぬ恵み
ただのみきや
四月 灰色の午後
湿った雪が舞っている
人生で何度目のことだろう
心は鉛の錨となり
失望の海に深く下ろされていた
気がつくと
年老いた裸の木が
緩やかに両腕を広げ微笑んでいた
その指先で天を指し示しながら
祈りすら失っていた
わたしに向って
自由詩
尽きぬ恵み
Copyright
ただのみきや
2012-04-07 00:06:39