神について語るとき
Ohatu


 力のない言葉が、
 交差点をそそくさと横切っている

 赤茶けた右眼だけで
 あたしがいるのにと囁いている

 通りがかりの猫に惚れ、
 町の禍々しさに背を丸めてしまう

 さかさまに吊り上げられ
 すべてが混ぜものにされて、ピンクに染まる

 全てが整ったなら
 僕たちはみなで神となり
 地球を滅ぼしてでも、生き延びなければならない

 正義や美しさや命や存在するすべてから絶縁し
 孤独の世界のそれぞれの王となって
 神と共食いをしでかしてでも、生き延びなければならない






 
 


自由詩 神について語るとき Copyright Ohatu 2012-04-04 12:21:50
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