琉球の春
朝焼彩茜色
琉球王国では
そろそろ初夏を迎える
日本人のくすぐる様な桜はない
しかし、空は人に近い
空は腰を低く
瞬きすればするほどの、こゆいこゆい
石を投げれば、波紋の広がる様な
粋をしている
感動せざるを得ない、その空を、
賽は投げられる日々の中、かすかに思い出す
琉球王国では
そろそろ初夏に向け
オオゴマダラ蝶が、ヒラリヒラリ
目から うろこが、トロリトロリ降りる様な
感動せざるを得ない、飛び舞いを志してくれる
貴蝶の美しさ、儚い夢なんてない、実りのエネルギーに満ちる
琉球王国の西陽は
本番に向け
力を踏み絞る練習を始める
私も練習してみようか、飛び舞いを、
粋に。
かつての故郷に琉球の春