幕間のひと
恋月 ぴの

期待してしまうから
疑うのか

それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか

その何れでもあるんだろうけど




今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知らずな桜の蕾はぽっくりしてた

いいかげん出番だぞ
だれかが背中を押したから

けつまづきながらも春は訪れてくれて




わたしだったらどうしよう

引きこもったままは
心地よいから

もうちょっとと目覚まし時計を遅らせて
お勝手で大忙しなお母さんを困らせてみたい




運命とかで片付けてみるのもよし

あるがままはあるがまま
拗ねた思いまでもお見通しなんだからと

舞台裏の片すみで

手のひらに書いた「人」って言う字を飲み込んだ





自由詩 幕間のひと Copyright 恋月 ぴの 2012-04-02 18:54:04縦
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