吊革
草野春心



  朝、目を覚ますと
  部屋の天井に
  吊革がずらりと並んでいて
  風もないのに
  微かに揺れていた



  隣家からはテレビの
  ごみごみした音声が響いてくる
  いくつかの蛇口が止められる
  吊革の揺れが大きくなる
  一体誰が来るのだろう




自由詩 吊革 Copyright 草野春心 2012-03-31 20:46:02
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