猫のしっぽ
灰泥軽茶
お稲荷さんを歩いてたら
耳の千切れた猫が一匹
やぁやぁ久しぶりおやつをちょうだいなと
お前と会うのは初めてなんだがなぁと
仕方がないからリュックを下に降ろして
開けようとすると
なんだねなんだね今日のおやつはと
近づいてくれば異様なしっぽが目につく
太くて短いそのしっぽは
味噌田楽にしたらちょうどよいぐらいの
ほぼ長方形の形をしていて
猫とは全く別の意思を持ってクネクネしているので
ポトリと落ちてどこか行っちゃわないのかな
また生えてくるのかなと
いや実は前がこちらなのかなと
じいっとしっぽを見つめ
豆乳ドーナッツを二つあげて
猫と別れた