これからくる女
はだいろ

ずいぶん、
ものもかたづけて、
明日には何もなくなる部屋に、
デリの女を呼ぶ。
よく利用したお店に、
最後に、
感謝のきもちもあって、
電話をしたけれど、
いい子が今日はいなくて、
姉妹店の、
評判のよい子を案内されて、
きっと好みではない気がするけれど、
まあいいかと、
金がなさすぎるので、
ちっともよくないが、
でもまあいいかと、
ぼくは、
明日出て行く部屋で、
明日売ってしまうパソコンに向かい、
字を打ち込んでいる。
明日は雨らしい。
ぼくは傘を2本持って、
朝、
彼女の家に、
てくてくと迎えにゆく。
ご両親に挨拶をして、
彼女を連れてゆく。
もうこの部屋に、
二度と来ることはない。
ぼくが来ることもないし、
ぼくの呼んだ女が来ることもない。
あと20分もしたら、
携帯が鳴るだろう。
それで、
ぼくの言葉も終わるだろう。





自由詩 これからくる女 Copyright はだいろ 2012-03-30 23:15:27
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