marux2



そう呼んでいる生き物でございます

今日の今まで
とてもとても長い時間を過ごし
呼び方や呼ばれ方
風貌も変わりましたが
まだ私を続けております

ものの見えかた聞こえ方
さまざまな変化を続けてきたというのに
私が私以外の生き物になることはなく
書き始めより数分が経過してもなお
私はどうしようもないくらい私なのです

私のお腹がぐうと鳴り
そこに私の手を当ててみましたが
手でもなく
お腹でもないどこか
得体の知れないどこかから
朝御飯を食べたいと
声と呼ぶには音はなく
文字と呼ぶには形もない何かが
語りかけてくるのです

私の体は私の体
私の右手は右にあり
私の胸は私の首の下に
どうしようもないくらい私で構成された私
私という唯一無二の存在であるにも拘らず
語りかけてくる何かがいるのです



そう呼んでいる生き物ではございますが

何か

そう呼んでいる生き物に生かされているようなのです

ですが今

私と呼んでいる私も得体の知れない何かなのです


自由詩Copyright marux2 2012-03-30 06:41:53
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