カルロス・トシキ
はだいろ


ありがちな平日の午後、
ありがちな喫茶店で、
ありがちなエスプレッソ。
ありがちな夢想をしていたら、
カルロス・トシキを見かけた

窓の外
あいかわらずからだは細かく揺れていた
おびえていたのかい
リズムだったのかい
運送会社の制服
きみはどこからやってきたんだい
あの日
とつぜん、夏はもう終わったはずだったのに

よく似た誰かだったのか
それとも遠い海の蜃気楼
ありがちな平日の午後、
ありがちな喫茶店で。
まるで少年のままの、
カルロス・トシキをぼくは見たんだ。







自由詩 カルロス・トシキ Copyright はだいろ 2012-03-27 20:01:02
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