カフカのビジネスホテル
TAT






















旅から旅のセールスマンだったカフカも






























今の俺とおんなじように無能な同僚を鼻であしらいつつ










煩雑な雑務を片手で片付けながら心の中では『バカヤロー無音で帰れ。お前にオツカレサマって一回言わねばならないコレは明らかに人生に於て無為な徒労だろ』と思いつつそんな事はおくびにも出さない爽やかな満面で


『オツカレサマデス!』

















下らねぇパートのばばぁに言いつつ



















明日を目指してたんだろうか


































神経をビンビンに張りながら











天然を演じ

































闇夜にひとりぼっちの狼の瞳の鋭さで
















大型の案件を仕留め





























故藤田まことの中村主水の昼行灯












ルパン三世のズッコケ















































でも実は安いビジネスホテルでガツガツ炭水化物不可のサラダバイキングの朝食を食いながら



















ガタゴト冷徹なタイプライターで
『変身』の下書きを書いたんだろうか




大森南朗電撃婚とか

今冬鳥取の積雪量例年の五倍とか

イシカワリョーマスターズニコイビトヲ同伴とか









今日営業先で使えそうな小ネタを片耳のトランジスタラジオで仕入れつつ




































それでもファイターでありたいと俺は願う

カフカあんたも










そっち系だったろ?























































断食芸人



審判

































































































どしゃ降りの
















名前も知らない町の
























割烹屋で




















だぁれも客がいない某『いさりび』で























































































若女将のメルアドせしめて







































真夜中のパーキングでおっぱい吸ったらミルクが出てきて辟易した















































砂利と唾を横断歩道に吐いて





















膝から折れそうになる自分に『まだ行ける・だ・ろ♪』と囁いて











セルフ・ボディー・ブロー入れた





































そして無理矢理立ち上がらせて

無理矢理立ち上がった



































































カフカあなたが生きた薄闇も































こんな闇でしたか?













































































自由詩 カフカのビジネスホテル Copyright TAT 2012-03-26 20:34:45
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