取り繕う
こうだたけみ
私は私の綻びを
見つけ出しては一つひとつ
繕っているのです
右手で針を
左手で私を
握りしめているだけでは
もろもろとほぐれていくばかりで
揃わない縫い目など
気にしていられない
何色の糸がいいかなど
選んでいる暇はない
針を刺しては抜く
コーヒーやらトマトのソースやらと
Lotusのお香のにおい染みつけて
つぎはぎだらけの私には
何を詰めて歩こうか
ところで裸足になって走れないのは
千切れたままのボタンのように
とても 見苦しい
自由詩
取り繕う
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こうだたけみ
2012-03-25 23:42:10