stony story
寿

あなたにはどうしても言えないことがある

この先もずっと言わないでいこうと思っている



炎が消えてしまう前に

私はきっと後悔するだろう




ああ

次の世界ではきっと、ってね


嵐の夜にも
少しだけ

傷が痛い


それでも
あなたには言わないんだ


鳥はいつか飛んでいくものだと
あなたはすべて知っているかのように言うけれど


落ちていくものもきっとあるのかもしれないよ


あなたが振り向かずに行ってしまう未来には

きっとたくさんの過去が
石ころみたいに転がっている

何万年も前から空を見上げている
そんな風な石ころみたいに


私は知っている


みんな、あなたを愛していたんだ



金星と木星が

あと少しの距離から月を眺めている


寂しい気持ちに知らん顔して
さよならの言葉を考えているんだね



言わなくていいのか?っていう声は

きっと夜の中の雑音なんでしょ



あなたには言えないんだよ



知らなくていいことも

この世界にはたくさんあるんだ



あなたはそのままで


美しいまま


ずっと先の未来まで



走って行ってしまえばいい







自由詩 stony story Copyright 寿 2012-03-25 20:53:57
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