春のひかり
吉岡ペペロ

痛みに耐えて目を閉じている

今日で臥して四日目になる

病室にはひかりがしみている

トイレに行くのも辛いから

あまり食事もとらないでいる


ひかりのなかにいる

風が窓に声をたてている

愛したひとの香りがした

ちんちんを撫でてみる

すこしだけ血液がしみてゆく

廊下になんにも気配がない

白い壁を見つめながら

そっと布団に手をやった

ひんやりとしている

このまま死ぬには不合格が多すぎた

どれだけ惨めになろうとも

愛したひとを忘れないでいよう

それでもこのひかりを

壊さないでいられるのか

しずかに試験を受けていよう


痛みに耐えて目を閉じている

今日で臥して四日目になる

病室にはひかりがしみている

トイレに行くのも辛いから

あまり食事もとらないでいる









自由詩 春のひかり Copyright 吉岡ペペロ 2012-03-25 14:27:21
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